プロ野球FA制度はいつまで?取得条件などわかりやすく解説

オフシーズになれば気になる選手の移籍の話題。特に移籍する際に必ず聞くFA権。なんとなく移籍できる権利というのはわかるけど、いつまでFA権を行使できるのか、そもそもFA権の取得条件って何?と詳しくはわからない人に向けて解説します。この記事を読めば、あなたもオフシーズンを違った楽しみ方が出来ます!最後まで読んでみてください!

この記事でわかること

プロ野球のFA(フリーエージェント)制度とは?

FA権とは、フリーエージェント権利のことで、国内外の球団と自由に契約できる権利となります。取得には条件があり、一定年数の一軍登録が必要です。

そのためFA権を行使する選手の多くは現在いる球団で活躍をしており、次なるステップを考えて進退を考えるので、好きな球団や選手がいる人はかなり同行が気になるはずです。

FA権にも種類があり、海外FA権を行使した選手は日本のプロ野球球団に加えて、メジャーリーグなどの海外球団への挑戦ができます。

FA権を取得できるまでの年数は?

国内FA権と国外FA権では取得条件や、契約できる交渉範囲がことなります。大前提として年数は下記で算出されます。

両リーグともにシーズン中に145日以上の出場登録されたシーズンを1年として計算される

145日という数値はレギュラーシーズンの約8割の期間で1軍登録されている計算となります。たが、この日数はクライマックスシリーズも出場登録日数としてカウントれます。強いチームに入団していれば、その分有利に働きますが、同時にレギュラー争いも過熱するので一長一短ともいえるでしょう。

このことを前提として覚えておく必要があります。それでは下記でさらに詳しく解説していきます。

国内FA権の取得条件

国内FA権は入団した年や、最終経歴によって異なります。正直、かなりややこしいです。好きな選手がいたら、記事を読みながら、照らし合わせてみましょう。

ポイント
  • 大卒・社会人:7年
  • 高卒    :8年

上記の他に、2006年以前に大卒・社会人で入団した場合は8年となりますが、該当する選手がそこまで多くないので、記憶の片隅に覚えておく程度で良いかと思います。

ひとまず上記年数だけ覚えておきましょう!

海外FA権の取得条件

海外球団とも交渉可能な海外FA権ですが、こちらは一律で決まっており、9年間となります。

高卒で入団した選手の方が若いうちから海外で挑戦する権利があるように見えますが、入団1年目から一軍で活躍できる選手はごく稀です。最終経歴に有利・不利はないかと思います。

FA権の再取得条件

一度FA権を取得して他球団に行った場合、再びFA権を取得するには一律4年となります。なかなか条件が厳しく、近年ではあまり行使している選手はいません。

ちなみに過去に行使した選手としては、工藤公康・谷繁元信・金本知憲となります。プロ野球好きでなくても一度は聞いたことのある名前の方々だと思います。長年活躍できる体力や技術を兼ね備えていないといけないため、狭き門となっています。

FA権を取得条件の特別措置

なんとなくFA権取得条件がわかってきたと思いますが、FA権取得条件にはさらに特別措置があります。

故障者特例措置

試合中にケガをしてしまい、登録日数が145日に達していない場合のみ、登録抹消日から2軍の公式試合に出場するまでの期間で最大60日加算されます。ただし、前年145日の条件に満たしていることが条件となりますので、活躍したシーズンの翌年、ケガでほとんど1年間活躍できなかった…といった場合のみ措置が適用されます。

2023年シーズンでいえば、塩見選手とかが該当します。

塩見泰隆選手の記録
  • 2022年シーズン:出場試合 130試合
  • 2022年シーズン:出場試合 51試合

昨シーズン活躍した選手がケガで出場機会がないのは残念ですが、どうしてもスポーツにはケガがつきものですので、こういった措置は必要ですね。

投手の登録日数に関連する特例措置

ここまで読んだ方なら薄々感づいた方もいると思いますが、投手はなかなか取得できないのでは?と疑問を感じていると思います。先発ローテーションに配属された投手のみとくれ措置が適用されます。

開幕時、先発ローテーション投手が開幕日から7日以内に登録された場合、開幕日から最初の登板日までの期間が加算。そして、オールスターの時、オールスター第1戦いの7日前以降に登録抹消され、かつオールスター最終戦あとに7以内に一軍に再登録された場合のみ、登録抹消日から1軍登録前日までの日数が加算されます。

なるほど、よくわからん。とはこのことだと思います。

FA移籍の流れ

FA権取得まではなんとなくわかったと思いますが、実際FA権を取得して行使できるのはどれくらいの期間でしょうか。なんとなくオフシーズンというのはわかるとは思いますが、簡単にまとめるとこんな感じです。

FA移籍の主な流れ
  • クライマックスシリーズ終了日の2日後にFA有資格者が公示
  • FA権を行使できるのは日本シリーズ終了翌日から土日除く7日間以内
  • FA権行使期間終了翌日に「FA宣言選手」が公示
  • 「FA宣言選手」が公示された翌日から各球団は選手と交渉可能

注目すべきところは、FA宣言した選手は各球団との交渉期限はありません。ただ、通年年内には移籍先や残留を決めることが多いです。

FA移籍のルール

FA移籍には実は細かいルールがあります。FA宣言した選手をたくさん取ればよいじゃん!ってなるかもしれませんが、実は制限があります。

ここでは次の内容について説明します!

ポイント
  • 球団がFA権を行使した選手を獲得できる人数
  • FA選手のランク付け
  • FA宣言した選手に支払われる年俸
  • FA権を行使して海外球団へ移籍する場合

球団がFA権を行使した選手を獲得できる人数

FA権を行使した選手を獲得できるのは各球団原則2名までとなります。

例外もあり、FA権を行使した選手が多い時や、後述する年俸ランクがCランクの選手はこの数に該当しません。

FA選手のランク付け

FA選手は旧年俸によって、A~Cの三段階のランク付けがされます。ランク付けの基準は下記の表にまとめてみました。

ランク旧年俸順位
Aランク1~3位
Bランク4~10位
Cランク11位以下
参考:フリーエージェント規約

FA権を行使した選手の中で旧年俸に応じてランク付けが行われます。上位2段階のランク付けの選手が移籍する場合、「金銭補償」や「金銭+人的補償」が必要となってきます。

上記保障についてはこの後説明します

FA宣言した選手に支払われる年俸

FA権を行使した選手との年俸の上限は旧年俸となります。ただし、これは1年目のみ適用されます。また、FA権を行使した選手の多くは球団と複数年契約を結ぶことが多いです。2年目以降は上限がなくなるので、複数年契約することで今の年俸が上がるケースがほとんどとなります。さらに年俸と他に契約金と出來高も支払われるので、現状よりも年収が高くなります。

FA権を行使し海外球団へ移籍する場合

前述した海外FAを行使してメージャーリーグなどの海外球団へ移籍する場合は、国内とは異なり、先ほど出た人的・金銭補償はありません。

そのため、海外移籍を希望する選手がいる場合、球団側が行使できるポスティングシステムを利用するケースが多いです。ポスティングシステムの場合、球団側にメジャーリーグ球団から譲渡金が受け取れます。

最近ホットなニュースで言えば、オリックスバファローズの山本由伸投手だと思います。ドジャースに12年総額3億2500万ドル(約463億円)で契約しましたが、オリックスバファローズに譲渡金として5100万ドル(約72億7200万円)が支払われます。

ポスティングシステムは球団側が合意の上でないと行使できない制度です。球団との関係や譲渡金がネックになっている選手にとっては、海外FA権を行使してメジャーに挑戦するのが良いかもしれません。

FA移籍の人的・金銭補償

前述したAランクやBランクの選手には人的・金銭補償が適用されます。金銭補償は必須となりますが、人的補償については任意となります。ただ近年は人的・金銭的補償の組み合わせが多くなっています。

金銭補償について

金銭補償についてはFA権を取得したのが1回目と2回目以降ではことなります。

1回目AランクBランク
金銭補償旧年俸
0.8倍
旧年俸
0.6倍
金銭補償
+人的補償
旧年俸
0.5倍
旧年俸
0.4倍
2回目AランクBランク
金銭補償旧年俸
0.4倍
旧年俸
0.3倍
金銭補償
+人的補償
旧年俸
0.25倍
旧年俸
0.2倍

人的補償について

そもそも人的補償とは、チーム間のバランスを整えるために、移籍元のチームは移籍先のチームから金銭や選手を獲得することが出来る制度です。少しややこしいので詳しくは下記記事を参考にしてみてください!

野球観戦の教科書
プロテクトと人的補償を徹底解説!補償選手は活躍する? プロ野球オフシーズンの話題といえば、選手の契約動向です。 中でも、フリーエージェントの話題はオフシーズンを盛り…

さいごに

いかがだったでしょうか?プロ野球についてのFA権について、少しでも理解が出来たら幸いです。シーズン中はあまり気にすることがないことですが、シーズンオフに活発になる話題ですので、覚えておくと良いかもしれません。

また好きな選手がいる方は、推しの選手がいつFA権を取得するか計算してみるのも良いかもしれません。

当ブログでは東京ヤクルトスワローズを応燕するファンサイトではありますが、野球をより楽しめるようにコンテンツを作成しています。こういうことが知りたい!といったことがありましたが、ご連絡いただけますと幸いです!


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この記事を書いた人

年間20回以上は神宮球場に足を運ぶちなヤクです。
ブログは初心者ですが、少しでも野球観戦が楽しめたり、ヤクルトスワローズのことを応燕してくれる人が増えることを願って運営しています!

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